- エにゃジーバンパイア110番
- 2021年10月18日
大注目の海外ドラマ!エナジーバンパイアの生態を描いて大ヒット「WHAT WE DO IN THE SHADOWS」
エナジーバンパイアって日本ではまだあまり知られてないと思って……
別記事で「洋楽好きなら要チェック!」なアルジェリアのライについてご紹介しました。
今回はそのライを語るうえで絶対にはずすことができない、とりぞう激オシ!の3人のアーティストをご紹介したいと思います。
この3人のほかにも素晴らしいライ・アーティストはたくさんいますが、ライを語るうえでこの3人は絶対に外すなかれ!と思ったので選びました。
後半にはおすすめ動画やアルバムのリンクもあるので要チェック!
現在では新旧問わず数多くのアーティストを輩出しているRai(ライ)ですが、ライを語るうえで絶対に外せないと思うのが今回紹介する3人です。
上の3人はライの大御所、アイコン的な存在でアルジェリア内外問わず絶大な人気を誇っています。少しでもライのことを知ってる人ならどこかで名前ぐらいは聞いたことがあると思います。
実力もキャリアも他とは比較にならないほどの大物ばかりですが、残念なことにRachid Tahaだけは2018年に急逝してしまいました~T_T
死因は「心臓発作」ということだけは聞いたのですが、くわしいことはわかりません。60歳の誕生日の5日前に亡くなってしまったのでした。
後から知ったのですが、タハは難病を長いこと患いながら音楽活動をしていたそうです。
ちなみにこの3人の中でタハだけは来日の経験があります。
ライのアーティストたちはジャンルを超えて欧米のアーティストとの交流も盛んで、合作も多く発表されています。
ここで紹介する3人も下のような作品を残しています。
それぞれの主な共演作は次の通り。(発表年、共演アーティスト、作品名)
<シェブ・ハレド>
2005年 カルロス・サンタナ、「Love to the people」
2012年 ラッパーのピットブル、「Hiya Hiya」
ハレドはアラブとアメリカの文化の橋渡しをするがごとく、精力的に海を渡ってツアーを慣行した草分け的なアーティストでもあります。
レコーディング以外でも2004年の「グラミー賞祝賀コンサート」といった大きなイベントで大勢の有名どころと共演してます。
<シェブ・マミ>
1999年 スティング、「Desert Rose」
2014年 ジギー・マーリー、「Madanite」
<ラシッド・タハ>
2013年 ミック・ジョーンズ(元クラッシュ)、ブライアン・イーノ、
アルバム「Zoom」
2005年にロバート・プラント、パティ・スミス、ブライアン・イーノというロックのビッグネームと共演しています。
とりぞうイチオシの実力派大物シンガーです。「ハレド」とだけで呼ばれることもあります。
1960年2月29日生まれ。
既に何十枚ものアルバムを出していて、キャリアは半世紀近くになります。
今のアルジェリアでは人気実力ともに文句なく№1と呼べる大ベテラン、文字通り「King of RAI」の呼び名にふさわしい国民的、国際的な大スターです。
日本勢が大活躍した2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会の開会式で歌ったこともあるけれど、覚えてる方はいるかな?!
とにかく才能豊かな人で伝統的なアラブ音楽はもちろん、ラップやボリウッドといったものまであらゆるジャンルの曲を歌いこなしてしまう、天才としか言えない人です。
ねちっこいコブシ回しは演歌にも通じるものを感じますが、どちらかというとノリがファンキーで感覚的にアメリカの黒人ソウルシンガーに近いものを感じさせます。
アルバム「SAHRA」がフランスで最高3位を記録したことがあります。
日本人が聴いても違和感なくすんなり入ってくると思います。
たまたまYOUTUBEでみつけた彼の昔の作品「BACHTA(バクタ」を聴いたときの衝撃といったらなかったわ。
その広い声域を存分に駆使してあらゆるジャンルを歌いこなしてしまう歌唱力は稀代の逸材としか思えません。
これほどの逸材がなぜ日本でバズらないのか?!
彼の一番の代表作と言われているのは、1990年に大ヒットした「DIDI」です。
アップテンポでノリのいいダンサブルな曲です。
しかしこの曲のせいで、後になってから盗作容疑で訴えられて敗訴してしまったのでした~^^;
とんだ災難だったね(現在は和解済みです)。
風貌はいつも「エビス様」のようにニコニコとして気のいいオジサンといった感じなのですが、過去に妻から家庭内暴力で訴えられたり、他の女性から実父認知裁判で突然訴えられて有罪になったりと私生活は波乱万丈のようです。
しかし、最も尊敬されて愛されているアルジェリア人アーティストの一人であることは間違いないでしょう。
前出のハレドと並ぶアルジェリアの大物シンガーです。
名前はマミですが、男性です^^; 1966年7月11日生まれ。
以前にSTINGの大ヒット曲「DESERT ROSE」でSTINGと共演したことがあるので、日本でも知ってる人が多少はいるかもしれません。
彼も名前がCHEBですね。彼の他にもなぜかライのアーティストはCHEBという名前が多いので不思議に思っていたら、ライの男性シンガーは伝統的にCHEBとつくんだそうです。
こちらはハレドとはまた違った個性のシンガーで一言でいうと、とにかく彼は驚異的に声が高いんです!
金切声とは違いますが、ソプラノ並みの透明感のある高い音域です。
そのせいか曲も軽やかなノリでさわやかな印象を与えるものが多いです。
しかし、アラブ独特のこぶしがきいたネチっこい歌を聴くと彼の実力の奥深さにあらためて驚かされます。
彼の曲の特徴はレゲエやラテン色をフィーチャーしたダンサブルであか抜けたものが多いことです。
ハレドとは歳も近いし交流があるようで何度も共演しています。
歌を聴くととても繊細な印象を受けるマミですが、彼も過去にハレドと同じように女性とトラブルを起こして訴えられて有罪になったことがあるんです!
元カノが妊娠したのを知って第三者に命じて監禁し、無理やり中絶させようとしたという物騒なものです。
こういう話を聞くとあらためて文化の違いを感じさせられますね^^;
そして彼もハレドと同じく盗作問題で訴えられて有罪になったことがあります。
こんなにも共通点があるのって偶然とは思えないんですけど・・・^^;
1958年9月18日生まれで上の2人とはほぼ同年代ですが、スタイルは一線を画す本格派ロックアーティストです。
2001年に来日の経験があります。
ハレドとは交流があり何度か共演もしてましたが、残念なことに2018年9月に急逝してしまいました~T_T
自らを「活動家」と称し、メッセージ性の強い作品をたくさん発表しました。
イギリスのTHE CLASHとも親交があったことは有名です。
サウンド的にベースはロックですが、アラブ音楽を始めとしたいろいろなジャンルの要素をmixさせた独特な世界を作り出しています。
アルジェリア生まれで、10歳の頃にフランスへ移住。
フランスでのアルジェリア系移民に対する差別や偏見を経験しながら育ったであろうことは、彼の作品を聴いても容易に想像できます。
’82年にパンク・バンド「Carte de sejour」で音楽キャリアをスタート、その後’89年にソロに転向して数多くのアルバムを遺しました。
毎回のコンサートでの観衆の熱狂ぶりから判断すると、特にアラブ・アルジェリア系の若い世代から絶大な支持を集める国民的なカリスマ・アーティストという印象でした。
昨今の欧米の音楽シーンはすっかりブラックミュージックに席捲されてしまって「ロックは終わった感」を感じますが、タハはロックのハングリー精神を生涯ずっと持ち続けて、欧米のミュージシャンよりもずっと純粋なスピリットを持っていたのではないかと個人的に思ってます。
アルジェリアという一見ロック辺境の地からこんなにも素晴らしい、骨のあるアーティストが輩出されていたということに本当に驚かされました。
70~80年代にロンドン・パンクの御三家とも言われたTHE CLASHの大ヒット曲「ROCK THE CASBAH」は、タハのオリジナルに彼らがインスパイアされて制作されたのだとタハ本人が発言しています。
そのクラッシュとは後に共演もしているし、その他にもロバート・プラント、パティ・スミス、ブライアン・イーノといった欧米の大物ロック系アーティストとも共演しています。
映画やドラマ、ゲーム等にも彼の音楽は多く使われています。
2000年の作品「BARRAH BARRAH」が2001年の英米合作映画「ブラックホーク・ダウン」のサントラに使用されています。
一度なぞは日本の民放のドキュメンタリーで突然タハの曲がBGMに流れてびっくりしたことがありました。
スタッフにファンがいたのでしょうか^^;
最近になって知りましたが、タハは80年代後半からずっと「アーノルド・キアリ奇形」という難病と闘いながら音楽活動を続けていたそうです。
脳の奇形の一種からくるもので、平行感覚がなくなってまっすぐに歩けなくなったり、体の震えが止まらなくなったりするというものです。
自分でも「いつもステージ上でフラついてるのは酔っぱらっているからに違いない、と多くの人から非難されることに疲れてしまった」というコメントを残しています。
決して歌が上手いとは言えませんが^^;歌詞の意味がわからなくても何か心に訴えかけてくるものがあるという、不思議な魅力を持ったアーティストです。
本来のロックが持っていたスピリットに共感を覚える人にはぜひ聴いてほしいと思うアーティストです。
各アーティストの代表曲をとりぞうの独断で選んでみました。
youtube動画でお楽しみくださいマセ♪
おすすめアルバムのリンクからはamazonで視聴もできます。
ハレドとタハは’99年の「1-2-3 SOLEIL」というライブアルバムで共演していて、これはフランスのチャートで最高4位を記録しています。
①Delalli
リビア生まれのラッパー・GASHIと競演した新作。
②Bahkta
ハレドとの衝撃の出遭いになった「Bakhta=バクタ」。
アップテンポのノリのいい曲もうまいけど、こういう重くネチっこいノリのスローナンバーに彼の本領が発揮される気がします。
【Cheb Khaled YOUTUBE公式チャンネル】
【ウィキペディア・ハレドのくわしいディスコグラフィー(英語)】
①Desert Rose
STINGと共演した「DESERT ROSE」。冒頭で高い声で歌ってるのがマミです。
②Madanite
Ziggy Marleyと共演した2014年の「Madanite」
YOUTUBEに彼の公式チャンネルはないようですが、動画はファンによってたくさんupされていて検索するといろいろ見つかります。
個人的に聴きやすいと思う彼のアルバムは「Mechi Ghardi」や「Meli Meli」かなあ・・・
チェックしてみておくんなまし♪
【ウィキペディア・マミのくわしいディスコグラフィー(英語)】
①Ya Rayah
タハの代表曲はなんといってもこれではないかと思います。
曲名「Ya Rayah」-古い時代の曲をアレンジしてリバイバルヒットさせたものです。
彼の代表曲でもあり、マグレブで最も有名な曲とも言われています。
②Rock El Casbah
THE CLASHのヒット曲のオリジナルになったTahaの「Rock El Casbah」。
合間に入るエキゾチックなメロディーがクラッシュのアレンジとはまた違う魅力を感じます。
とはいえ、上の2曲はだいぶ若い頃の動画なので晩年とはちょっと印象が違ってます^^;
【Rachid Taha YOUTUBE公式チャンネル】
【ウィキペディア・タハのくわしいディスコグラフィー(英語)】
ライを代表する大御所アーティストとして、シェブ・ハレド、シェブ・マミ、ラシッド・タハの3人を紹介してみました。
タハ以外はまだまだ現役で活躍中です。
今回ご紹介した3人以外にも素晴らしいアーティストはたくさんいるので、ぜひ自分のお気に入りのアーティストや曲を発掘していってほしいです。
日本では資料が少ないので最新情報等はなかなか手に入らないのがネックではありますが、youtubeを探すとレアな情報がたくさん見つかるのでおすすめです。
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